第3話:フリマは、1日限りの商店街

多くの人は、「フリマ」と聞けば、ちゃちな素人の出店というイメージを持っている人が多いと思います。

ちまたでは、商店街がなくなっている現状がある一方、フリマによる集客を狙った取り組みが進行している現状もあります。

ものを売買する行為が、衰退しているのか、市民から求められているのかわからなくなってきています。しかし、ここで1つ言えることは、フリマを1回開催することで、4,000人~5,000人、多い時で23,000人もの人が来場します。その時々の天候などによって左右されますが、既存の商店街と引けを取りません。

私は、一般的な商売の区分として、デパート→ショッピングモール→商店街→スーパー→ディスカウントショップなどがあると意識的に考えていました。ところが、フリマが恒常的に開催されるようになったことにより、ディスカウントショップよりも下の区分としての役割を担うようになってきたのではないかと思うのです。

この領域には、商売を専門とする人々は立ち入ることが出来ない領域(本業とする人にはプライドが許さないと考えます。そして、いつまでも、そうあって欲しい)だけに、一般市民による「にわか商売人」にとっては、格好の出店場となるのです。

近年の景気低迷が続けば、この動きは加速していくことでしょう。また、人々にとってフリマという敷居が低い出店方法は、超高齢社会を迎える日本にとって、欠かすことのできない取組になっていくものと考えます。
たかがフリマですので、今後国や地方の政策に挙げられることなどありませんが、現実論として行政が支援する取り組みとして粛々と形づくられていくもの(されどフリマ)とでしょう。

このような社会実験として実施されたのが、「こくらdeフリマ」なのです。初めて開催してから10年以上が経過しますが、年々その規模と来場客数を伸ばしています。
この取り組みから得られた結果は、まちの賑わいを醸し出すのは、市民の動きそのものです。北九州市は、都市化の続く中堅どころの地方都市であり、高齢化率が政令指定都市の中でも上位にある都市という位置づけです。そのような位置づけの都市だからこそ、若者を中心に活発化しているインターネットによるネットワークと異なり、中高年を中心としたリアルなネットワークが必要なのだと思います。

まちの賑わいは、最初行政の音頭で始まっても、いつか自立を前提に市民が守り育てなければなりません。たかがフリマ、されどフリマですが、ささやかな喜びを市民が感じる取り組みとして、私は「1日商店街」という気概を持って、社会実験(改良していく心がなければ、成長はしないから)としてのフリマ開催を続け、主催者の責務として守り、育てていきたいと強く自分に言い聞かせています。

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